大体白目になってるかメガネ光ってる

美も細も心から欲しいけど寝っ転がってたい

それはそれは素敵で恐ろしい伯母さんの勢い

 

もうすぐ90になろうという伯母がいる。

ものすごく元気で美しく、ご飯もモリモリ食べるし、歩くのも早いし、色んなこと知ってるし、お洒落も楽しむし、とてもじゃないけどその歳の人には見えない。

電車では未だにあまり席を譲られないし、お友達の旦那さんには影で化け物と呼ばれてるらしい笑

うちの旦那も会う度恐れ慄きつつ感動している。

 

そんな伯母と久々のランチ。

まーーーよく喋る。

会話するというよりは、話すことをひたすら聞いている感じ。

「なーに、あなた、髪切ったのね!いいじゃない!暑いからね、今までのゆるくまとめてるのも良かったのよ、いいなと思ってたの、でもね、もう暑くなっていくしね、楽でしょう短い方が!楽よ!楽!いいじゃない。」

ここまで一息。

「うん」を挟むより前に他の話が始まる笑

 

休みに入った長男を一緒に連れてって、鰻をご馳走になったわけだけど、長男は鰻に全集中してた。羨ましい!

話はずっと続くから、私はおしゃべりと鰻半々。あー夢中で食べたい!

でもご馳走になる分あたし頑張る!良い気分で奢ってもらわねば!

 

最初に出してくれた熱々のお茶が、鰻重食べ終わる頃にちょうど良い温度になって、すごく飲みやすくなってたんだけど、サービス精神の行き届きまくった店員さんが、またアッツアツのお茶に取り替えてくれた。

おかげで最後は汗をかいてお店を出た。

長男の冷たいお水羨ましかったー!

 

デザートにジェラート屋さんへ。

ここは私が出しますよ!

ショーケースに並んだジェラートは10種類以上。サッパリ系から濃厚系まで選び放題。シングルもダブルもトリプルもカップもコーンも選べるし、めちゃ迷う。

「ラムレーズンあるの?ある?じゃあそれにするわ。」

伯母即決。はや!

「俺チョコ!ダブルにしていいの!?じゃあ後はティラミス!」

長男も続きおった!マジか!!

私まだ全体の味も把握してない!チョコいいと思ったー!あと温州みかん!でもチョコとみかんのダブルは1つのカップに収まった時どお?組み合わせも大事だよー。ヨーグルトもいいな、でもかかってるジャムのソースがなんかやだなー、ほうじ茶が人気なんだ、でも思ってる味じゃなさそー、ピスタチオは前に食べてイマイチだった気がするんだよねーあーどーしよー!!

 

「まだなの?早く決めなさいよグズねーまったく、お母さん嫌になっちゃうわね。」

伯母はいつだって辛辣でい。

ショーケースの向こう側で注文受ける店員さんもニコリともしない、はよせーよタイプ。

うう、

「チョコと塩キャラメルで」

絶対濃すぎるやつー!1つはサッパリ系にしたいー!そう思いながらの2択を告げる。

2人は受け取るなり、席座っとくわ、って行っちゃったよ。

くそう、人をグズでノロマ扱いしてー!そうだけどもー!!

 

案の定、濃いーもったーりアイスで、あんまりサッパリしなかった。が、美味しかった。

シャツ1枚でも気持ちの良い気候で、テラスで3人で食べるのも、いつだったか長男がうんと小さい頃やったねーなんて話になり、キュンとなる。

 

この素敵だけれど口の悪い伯母には、子供がいない。

私は小さい頃、親戚の集まりで顔を合わせる時、怖くてたまらなかった。なんでいつも嫌なこと言うんだろう、と思ってたし、怒ってるのか冗談なのかわからなくて、上手く話せなかった。

両親が離婚してしばらく会わない時期があり、私が高校生になった頃、どうしてだったか、おうちに泊まりに行くようになった。

伯母は、料理もめちゃくちゃ上手で、おうちも素敵。いつもお花が飾ってあって、季節感があって。母親が母親として機能していなかった私にとって、理想のお家のようだった。ここにいると、いいとこのお嬢さんになれたようで、気分が良かった。

その頃から仲良くなって、母親と疎遠になっていく私にとってお母さん的存在になった。

年齢的にはおばあちゃんなのだけど、伯母は絶対私のことを娘のようなもの、と言う笑

 

だもんでうちの息子たちは、伯母にとっては、孫のような存在。

とにかくかわいいみたい。今日はずっと嬉しそうだった。良かった。

長男も伯母のハグを嫌がったりせず、自然に優しくできてて嬉しかった。

 

この伯母には、全く同じような、それどころかもうちょっとどぎついくらいの妹がいる。

こちらも子供がいないので、うちの子達のことを孫のように思ってくれてる。

私に実の母はもう存在として無いのだけど、うちの子達には頼もしいおばあちゃんが、2人いるのだ。

正式なるおばあちゃん、義母を含めると、3人。豪華!

私の生まれた家族は歪だけど、結果幸せなことだなーと思う。

 

まだまだ元気でいてほしいな、と、そうは言っても前よりやっぱり歳はとったよなと感じる伯母の顔を見て思う。

でもその爪はキレイに尖って真っ赤に塗られてる。私よりよっぽど行き届いてる。

 

ばーばの爪とんがってるから痛いんだよーって、小さい頃の長男がよく言ってた。

やだなぁ。

こないだお友達のお父さんが亡くなったって聞いたばかりだからか、すごく楽しい中で1番悲しいことを考えちゃう。

ラムレーズン誰よりも早く食べ終わったてたし、大きなさきイカもアップルパイも買ってたし、大丈夫だろう!

次男と旦那にって沢山買ってくれたお土産を抱えて、そう思い直す。

 

あ、そうそう最後にカヌレも買ったんだ。

「ここに並んでるこれだけ?この大きさだけ?小さいわね、随分と小さいわぁ。こんなだけ?まぁそれだから値段安いかもね。でも、小さいわよぉ。うちの方のお店は倍くらいあるわよ。こんなに小さいの?」

私が買ってる横でこれを何回も店員さんに言ってた。

ああもう!うるさいなぁ!笑