大体白目になってるかメガネ光ってる

美も細も心から欲しいけど寝っ転がってたい

走るのが1番早いとか言ったことない(遅いから)

駅から長男と一緒に自転車で帰ってきた日があった。

あともう少しで家に着くってところで、向かいからすーごいゆっくりスピードの自転車じいさんが来た。すれ違う瞬間ボン!てカゴからなんか落ちた。

「あ!何か落ちましたよ!」って思わず声をかけるも聞こえない様子。

チラッと私のこと見たけど行ってしまった。

落ちた何かに近い長男に、「それ拾って!渡してあげよ!」と自転車をUターンさせる。

じいさんが行っちゃった方に向きを変えて長男の方を振り返ったら、4つ入りドーナツの袋を持った長男が、自分の乗ってた自転車を端に寄せて停めようとしていた。

え??

「追いかけようよ!」と焦る私に、

「うん!」

と言って走り出そうとする。

ちょちょちょ、自転車で行かないの?

なぜ急ぐのに自転車を置いて走ろうとするの??

「走った方が早いじゃん」

て理屈らしい。

 

わかんない。

 

私が足速くないから?

だからこの長男の理屈が理解できないのか??

いや、いくら足速くたってさ、自転車を追いかけるなら自転車が良くない?

武器を持ってるのに置いて素手で闘いに行くことなくない???

が渦巻いた頭でとりあえずゆっくりじいさんを追いかける。背に浴びてきた西陽を今度は顔に受け、眩しい緩やかなカーブを戻る。

…いない。

え?あんなに遅かったのに?

やだもうまた増えた!

 

1つ目の曲がり角を覗き込む。

いた!

言うより早く長男がペダルを漕いでみるみるおじいさんに追いつく。

真横から声をかけるもやっぱり聞こえてないみたい。

何度目かでやっと長男の方向いた!

で、無事ドーナツをお手元に。

ゆっくりじいさん、「ありがとう、気づかなかった。」って言ってたみたい。

 

家に帰ってから、あれ?ない!ってならなくて良かったね〜なんて、ちょっといいこと出来た気分でホンワカ、長男と並んで走る。

「自転車置いてこうとするからびっくりしたよー」

「自転車はお母さんが見ててくれると思ったから」

そーなんだ?

走って追いかけて、ここに戻るつもりだったのね。

母さん何一つ君の描いたことと合わなかったわ。

 

もう一度だけ、抑えきれず、

「自転車追いかけるなら自転車のが早くない?」って聞いたけど、答えは

「おじいちゃん遅かったし、走った方が早いでしょ」だった。

 

若さって自分の体が一番信頼できるのかな。スゴイな。

効率的かどうかは置いといて。